2023 A・E・I・O・U / CHRISTIAN TSCHIDA【オーストリア】
品種:シャルドネ
A.E.I.O.U.はハプスブルク家の神聖ローマ皇帝フリードリヒ3世が好んで用いた略語句で、ウィーンのノイシュタット城やグラーツ大聖堂などの建物や、自身の食器などあらゆるものにこの文字列を刻んだ。だが、その意味は長い間不明で、様々な解釈がなされてきた。2023年に歴史学者がその意味を解明したと発表した以下の説に、チダ惹かれ、ワイン名に選んだ:Amor Electis Iniustis Ordinor Ultor 選ばれし者達に愛され、無法者達から恐らるる/嫌わるる。ブドウ畑はライタ山地にあるノイジードラーゼーに面した急斜面にある。ブドウ樹を2本ならべて植えることで互いを競わせ、深く伸びた根が水、ミネラル、養分を取り込むようにしている。
⚫︎Christian Tschida(クリスチャン・チダ)
オーナー醸造家のクリスチャン・チダは、実験的な醸造に積極的なオーストリアの醸造界の中でも異端児と呼びたくなる存在。醸造学校へ通ったこともなく、ワイン造りは祖父と父、そしてロワールとブルゴーニュの生産者達から独学で学んだというが、モットーは「レッセ・フェール」。放置して、自ずから調和に至らせる自由放任主義だ。2013年産から亜硫酸は添加していない。そしてノンフィルターで瓶詰めする。14haのブドウ畑をライタベルクの斜面に所有している。30近い点在する区画では栽培しているのは白はショイレーベ、ヴァイスブルグンダー、グリューナー・ヴェルトリーナー、ムスカート、赤はツヴァイゲルト、ブラウフレンキッシュ、カベルネ・フラン、シラー。ウィーンに住んでいた頃親交のあった画家アルフレート・フリドリチカ(2009年に他界)のエッチング作品『地上の楽園』Himmel auf Erdenをエチケットにした同名のワインの自由奔放さ、グリューナー・ヴェルトリーナーをマセレーションした「ノン・トラディション」の底知れないスケールの大きさ、「ドームカピテル」のカベルネフランの端正で繊細な深み。彼の造るワインは、いずれもが独自の世界を構築している。
¥17,710
なら 手数料無料で 月々¥5,900から