2023 L'ABEILLE ET LE PAPILLON / YURA【フランス・アルザス】
品種:ピノ・ブラン 80%、ピノ・オーセロワ 20%
【収穫年の天候や気候】
2023年は例年以上に日照量が多く、高い熟度の葡萄がとれたが、同品種でも区画毎の成熟速度のバラツキが大きく、収穫日の決定が非常に困難となった。
発酵速度のばらつきも大きく、リースリングに関して10ヵ月間発酵がつづいた、醸造・栽培ともに非常に困難な年であったが、できあがったワインはボリュームと酸のバランスがよく、太陽の年を連想させる味わいとなった。
【熟成方法と期間】
圧搾後、10度まで温度を下げ一晩放置。
デブルバージュ後500L樽とステンレスタンクに分けて野性酵母にて発酵。
10ヵ月間シュール・リ熟成、樽熟成のものは数回バトナージュをかける。
亜硫酸についてはMLFが終わるまで一切添加しない。
オリ引き後、アッサンブラージュさせ2ヵ月間さらに熟成。
【コメント】
粘土石灰質土壌から来るピュアでフィネスと旨味を感じる味わい。
ステンレスタンク熟成由来のフレッシュで直線的な酸、樽熟成由来のフローラルでまろやかな味わいの、二つのキャラクターがバランスよく感じられる。
抜栓直後は少し硬いため、気になる方はゆっくり飲むか一時間前に抜栓し、繊細な味わいなためデキャンタージュは避けてほしい。冷やしすぎず16℃前後がお勧めの温度。
ー YURA(由良 仁太郎) ー
アルザス在住の日本人生産者。
2012年からアルザスで醸造・栽培に携わり2020年に独立。現在はDomaine Grossの醸造所と畑を借りワインを製造しており、将来的に個人で畑とワイナリーの取得を目標としている。
ビオロジック、ビオディナミで管理された葡萄のみを使用。粘土石灰質土壌から生まれるワインを好み、 伝統的なアルザスのスタイルにとらわれず、新参者だからできる新しいスタイルにチャレンジしている。多くの種類のワインは造らず、品種とキュベ数を絞って品質をあげる事にエネルギーを注ぎ込んでいる。